秘密と偶然の名
リアルの出来事を中心に、自作小説等を載せています。
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お見舞い
それは試験前夜の話。
試験の日も含めれば4連休なので、休日の予定などをどうたらと話していた時のことじゃった。

「休みならお見舞いに言ってきたら」と母親が。

「誰の?」と、素で返す。真面目に知らんかった。母親は話したと思っていたらしいが、残念ながら遅番なので家族の団欒がある夕飯どきに、わしは仕事じゃった。まあ事があったのはその日の前日らしいんじゃがな。

聞くと、向いに済んでいるおじさんが、今入院しているらしい。何でも、頭の血管が詰まったんだとかなんとか。
いや、それって結構重病ではなかろうかと……

私生活で体の動きが異様に鈍く、普段なら絶対に失敗しない動作で失敗し、転ばないようなところで転んだらしい。




流石におかしいということで、病院に連れて行ってもらったらそういう状態だったんじゃと。

こういう場合は救急車を呼んで構わんらしいのう。

話を聞いて少し焦ったが、どうやら死ぬような状況ではないらしい。しっかり完治するそうじゃ。まずは一安心。


向いに住んでいるおじさんとおばさんは、もうある意味第2の両親とも言えるくらい、お世話になりまくった人達なんじゃ。

わしの家は共働きでのう。姉も兄も、わしが小学校のころには部活などがある中学校以上でな。学校などが終わると、わしは家に一人だったんじゃ。

昔は本当に怖い物が嫌いでな。まあ、今でもそれは残ってるが、昔は少しでも何かあると怖くて独りでなどいられなかった。

例えば、壊れた扉の残骸が人間の顔の様に見えただけで本気で脅え、ホラーゲームの宣伝を見ただけで3日間不眠症になっていたほど。

今だからこそ「暗くて狭い部屋は落ち着く」などとほざいているが、小学校くらいの頃だったら考えられんことじゃな。

とまあ、こんな怖がりの子供が、独りで家に居られる訳が無い。

向いに済んでいるおじさん達は、そんなわしの面倒を見てくれていたんじゃ。

学校から帰ってくると、家には誰もいない。じゃから、わしは向かいの家に行く、すると、まるでその家の子供であるように受け入れてくれていた。

物心つく前などは、オムツを変えて貰っていたとか聞いたな。

この2人は家の両親よりかなり年上で、今だとおじさんはもう70過ぎじゃったな。75くらいか。娘が2人いるが、わしの兄(12上なので当時おそらく高校生か社会人)より年上じゃし。

要する、このおじさん達からしてみれば、新しい子供が出来たような感覚だったのかもしれんな。わしもよく懐いていたし。

随分話が逸れてきてしまったが、そんなお世話になった人が入院したんじゃ、お見舞いに行かねば天罰が降る。

ということで、試験も終わった今日、丁度休みの姉も車に乗せて病院へ行くことに。わしに限らず、家の家族は色々と世話になりっぱなしの人じゃからな。

とはいえ手ぶらに行ける訳もなし。見舞いに手ぶらで行ったら人間性を疑われる。なので、姉は前日がバレンタインという事も踏まえ、チョコレートを持参。
……この人は家族とか以外に、渡す彼氏をいつまで作らん積りなのか。
まあ、家族以外に貰ったことが無いわしが言うものどうかと思うが。

それはさておき、わしは近所のスーパーの前に、屋台程度の小店舗のたい焼き屋でたい焼きを購入して行く事にした。
いや、何か近くにあるものの食ったこと無かったので、自分たちが食いたいから買って行ってみようとか言う理由じゃがな。

母親曰く「7個」との事。その為、わしと姉の分を含めて9個購入。何故7個なのかは知らん。あちら側の家族全員に行き渡るように考え7個らしいが、はて7人で足りたかのう? まあいいや、その辺は母親の責任として置いておこう。

3種類あったので、2、2、5の割合。カスタードと栗が2つ、通常の餡子が5つじゃ。餡子の方の2個がわしと姉の分。

因みにおじさんは、食欲もあるし食べ物関係は特に制限されていない様なので、普通に食えるらしい。

さてと冷める前に、さっさと移動。もちろん右手にハンドル、左手にたい焼き。

結構美味いなコレ。薄皮でパリパリしてるし、餡子も丁度良い。それほど高くないし、今後もなんかあったら買って来よう。

病院へ着き、迷いながらもおじさんの病室へ到着。母親が「エレベーターから降りてすぐ」とか言ってたが、エレベーターって何処?! な状況でのう。

しかし、着いたのは良いが肝心のおじさんが居ない。ベッドの上には「リハビリ中」と書いてある札が置いてある。

すると親切にも、同室のおじさん達が「今1階でリハビリしに行った」と教えてくれる。まあ、すれ違いになるかもしれんが、いつ帰ってくるか分からん以上、此処にいるよりマシかと来た道を戻る。

エレベーターの前に来ると、丁度扉が開く。すると、中からおばちゃんと娘さん(わしからすれば近所のお姉さんという所か)が出てきた。何とも良いタイミングじゃ。

今リハビリが終わって、おじさんは階段から上がってくるんじゃとか。

言われて後ろの階段を見ると、看護師さんに連れられて階段を上って来るおじさんの姿があった。

そのままおじさんと合流し、病室へ。

すれ違いにならんで良かったのう。

しかし見たところ、元気そうじゃな。具合が悪くなさそうで何よりじゃ。

早速お見舞い品を渡す。好評そうなので良かったのう。

後は取り留めもないような世間話をしていたが、昼の12時も過ぎたのでわしらは帰ることに。

まあ、おじさんが無事で良かったのう。

とはいえ、歳も歳じゃからな。長生きしてくれれば良いが。

また行ける時間があるなら、顔を出しても良いかのう。そう、小学生だった頃の様にな。
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