そういえば今日、こんがりさんから出産の内祝いを頂いた。前回のアレのお返しじゃな。
貰ったのはお茶の香りがするタオルと石鹸じゃ。なにかあったら使わせてもらおう。
さてさて、んでは下より昨日の続き。更に下には小説版もあるので興味ある人はどうぞ。








此処から小説版
「……野蛮ね」
そんなゲインの姿を見て、ファルクは毒舌、もとい素直な感想を述べる。
「うるせー。こっちはやる気のねー奴らと違って、働きっぱなしで疲れてんだよ」
「そうそう、これからもこき使わなっきゃならないんだから、ゲインちゃんにはしっかり休んどいてもらわないとね~」
そんな事を言いながら、ティンリーは立ったままのファルクの横に座る。
ゲインは疲れて反論する気も起きないのか、文句は言わずに伸びている。コルセスは無言で樹に寄りかかりながら座り、新しい煙草を取り出して火を点けた。
「ファルちゃんファルちゃん、座りなよ。立ちっぱじゃ疲れるっしょ」
ティンリーはファルクを座らせようとするが、ファルクは首を横に振る。因みに『ファルちゃん』とは、ティンリーがファルクを呼ぶときのあだ名だ。
「こんな所に座ったら、服が汚れる。特にこのニーソ、色がお気に入り。だから嫌」
「そんな事言わないでさ~。ホラホラ~」
下からファルクの腕を掴んで引っ張り、座らせようとするティンリー。しかし、ファルクは半眼の瞳を向けるだけで、座ろうとしない。
「離して。嫌なものは、嫌。これ以上余計な事するなら、殺す」
無表情のままではあるが、明らかに声色に怒気が含まれている。
「良いじゃないよ~。そんな怖い顔しないで、笑って笑って~」
座らせようとした後は、立ち上がってファルクの頬を両手で引っ張る。笑わせているつもりなのだろう。
「やっぱ女の子は笑顔っしょ!」
無表情のまま頬が伸びただけの顔ではあるが、ティンリー的にはこれでも笑顔であるらしい。
「だから、離してって、言ってるでしょ」
ファルクは頬を引っ張られたまま、ティンリーの目を見る。そして、頭についている仮面の目に当たる部分から、かすかに光が漏れ始めた。
「やべぇ! 下がれ、ティンリー。マジで死ぬぞ!」
その様子を見た瞬間、コルセスが起き上がり、叫んだ。ティンリーは直ぐに両手を引っ込めて、後ろへ跳び距離を取る。
ティンリーが離れると、ファルクの頭にある仮面の光は消える。ファルクは自体は、相変わらずの無表情で同じ場所に立っているだけだ。
「あちゃ~。やりすぎちゃったかな~。危ない危ない」
口では陽気に言っているが、ティンリーの額には脂汗が流れている。顔も若干引きつっている様だ。
「コルセス、余計な事、しないで」
「余計な事じゃねぇ! 仲間相手に何の容赦も無く術を発動させようとすんな! お前のソレは、冗談で済まされるレベルじゃねぇだろうが!」
「冗談じゃない。本気」
「なおさら駄目だ。良いか、無闇に術を使うのは禁止した筈だ。それが守られないなら、お前は危険分子として処理されるって、分かってんのか?」
ファルクの仮面霊術というのは、あまりに強力で下手に使えば一瞬のうちに大量虐殺をするこですら可能なのだ。そんな力を持った人間を放置する事が、どれほど危険な事なのか。その危険性故にコルセスは、ファルクが国に害を成す存在だと判断した場合、殺害するように命令されている。
「いいか。術は本当に身の危険だと感じたとき意外、絶対使うんじゃねぇぞ。オレはお前を殺したくなんか無いんだよ。分かったな?」
「……仕方ない。分かった」
コルセスの真摯(しんし)な言葉に、しぶしぶではあるが、ファルクは聞き入れた。普段はやる気の見られないコルセスではあるが、仮にも年長者なのだ。彼がこうしてファルクを抑えているからこそ、旅をしていられるのである。
「それとティンリー。あんまりファルクを弄るな。こいつには冗談が通じねぇんだ。死にたくなけりゃ、下手なことすんな」
「そーするよ~。でもファルちゃんって興味深くてさ~。中々止められないんだよね」
再びファルクの近くまで歩いてくる。ファルクに興味があるから付いてきているティンリーなので、ファルクに絡む事は止めないらしい。
「……それより、もう十分でしょ。早く先に進みましょ。ゲイン、行くわよ」
近くに寄ってきたティンリーを無視し、無言で仰向けになっているゲインの所に歩いていくファルク。
「……ぐぉー。……ぐがぁー」
「……寝てるわね」
よほど疲れていたのか、ゲインは仰向けに寝転がって直ぐ、眠りに落ちたらしい。
「ああ? いやに静かだと思ったら、こういうことか。ほれ起きろゲイン、そんだけ爆睡してりゃ、疲れも取れただろう」
ゲインの近くまで歩いてきたコルセスは、足でゲインのわき腹を突いて起こそうとする。
「ん~……もう食えねー……」
「このやろ……。んな典型的でも実際に言ってる奴なんか見かけねぇ寝言ほざいてねぇで、さっさと起きろこのクソ餓鬼!」
コルセスは足で突くのを止め、今度はその足を振り上げて腹部の真上に落とす。簡単に言うと、お腹を思いっきり踏みつけたのだ。
「ごふぅ!」
踏まれたゲインは、強制的に吐き出された息によって、鈍い悲鳴を上げる。
以上。ここまでじゃ。続きはじゃみら次第じゃな。
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