秘密と偶然の名
リアルの出来事を中心に、自作小説等を載せています。
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3月11日から今までのことを克明に(2日目)
大地震から一夜明け、2日目の朝を迎えた。

未だ緊張状態が途切れなかったのか、中々ぐっすりと寝付くことが出来ずに、何度も目を覚ましながらじゃったな。

余震は頻繁に来るし、中々先が見えない状態にやはり怖いものがあった。

寝ている間に見た夢は、朝起きたら電気が復活していて普通に生活している風景じゃった。

あまりに自然で違和感の無い夢に、てっきり本当に電気が復活したのかと思ったが、全然そんな事は無かった。

起きてまず、寒い。普段なら電気ヒーターをつけるが、電気は死んだまま。

少し起きるのが遅かったので、家族はもう片付け作業をやっていたな。

いつでも外にいける服のままなので、着替える必要が無くそのまま片付け作業じゃ。

昼間の明るいうちにある程度進めないと、夜までに電気が来なかったら作業を止めるしかないからな。


ただこの時点で、昨日まで出ていた水道が止まったんじゃよ。


単に水が出ないだけだと思うこと無かれ。

水が出ない事の恐ろしさを味わった。


飲み水が無いのは勿論の事、料理に使う水も無いし、食器も洗えない。一番困るのはトイレじゃ。

トイレの水を流すのには、かなりの量を使うんじゃよ。バケツ一杯じゃ足りない。

幸い風呂の水を抜かずに置いておいたので、それをタンクに入れて流していた。
それでも節水せねばならんので、小のときは流さずに、大のときに流すようにしていたな。

わしの場合、小学生の時とかによく家の横のドブで小をしていたことがあったので、この時くらいは良いじゃろうと外でやっていた。


そんな状態の中、嬉しい知らせも入ってきたぞ。

一応電話線さえ生きていれば、電話線から最低限の電力は供給されているので電話をすることが出来る。それで父親側の祖母の情報が入ってきた。

まあ祖母自体は、昨日父親が帰り際に周って来たとかで安否確認はしてあったんじゃ。

そこは福島市内なんじゃが、そこなら電気が通じており、水も出るらしい。

ちと山の中で、井戸水をポンプで汲み上げている所じゃったからな。電気さえ通っていれば、水も出るという事じゃ。


朝食兼昼食を食べた後、わしと姉と父親は祖母の家に行くことに。ちなみに祖父は戦争後に病気にかかって亡くなっているので、現在一人暮らしなんじゃよな。

母親は家に残って片づけをするというので、3人じゃ。

まず飲み水の確保。あとは連絡が来るかもしれないので携帯の充電をしにな。

この時点で携帯の通話機能は、まだ死んでいた。メールは遅れて届くみたいじゃが、通話は完全に駄目。


ただ水を汲みに良くにも、容器が欲しい。じゃがそういう物に使えるタンクとかが一切無かった。

姉が職場で使っていたという、精製水を入れる袋に見えるタンクを持ってきた。空なので縮んでいるが、最大20リットル入るという優れもの。

ついでにわしの部屋から、またしても中身が入っていないペットボトルを計5リットル(2リットル1本と、1.5リットル2本)分発掘。これもまだ捨ててなかった奴じゃな。

ペットボトルって偉大じゃ……

後は食器洗い用などに使う水にはなるとして、外にあったバケツを持っていくことに。

更に向かいの色々とお世話になっている家、おばちゃんとおじちゃんが使う分も持ってこようと、そちらの家からもタンクを預かってきた。

ついでにおばちゃんの携帯も充電するために、一式預かった。

ただそのおばちゃん情報で、給水を行っている場所はかなり並んでいるし、貰ってもかなり少ないらしい。

おばちゃんの娘さんの旦那さんが、給水場に並んで貰ったらしいが……3人家族だと言ったら、本当に飲み水くらいにしかならない程度の水しか貰えなかったらしい。ペットボトルに半分だとかそんなくらいだと言っていたな。

やっぱり知り合いで水が出る所に行った方が良さそうじゃな。


これで準備は整ったんじゃが、ラジオを聴いていて目的地からこちらに来る際の道が物凄く渋滞しているという情報が出ていたな。

戻りは違う道を通るとして、まずは行こうという事になった。


この状況で一番ガソリンが大切なんじゃが、幸いわしの車は数日前に入れたばかりでほぼ満タンだったんじゃよ。これは不幸中の幸いというものか。

普段は音楽を聴いて車を走らせるが、この時ばかりはラジオを点けた。

この時点でもまだ電気が来ない場所が多く、信号が動いていないという場所がちらほら。地面が陥没しているなどで通行止めになっている場所もあるので、これが渋滞している理由なんじゃろう。

実際にその渋滞しているという情報が出ていた所は、全然動いてないくらいに混みあっていた。しかもその半数がトラックじゃ。

調度反対側の道路が、土砂崩れで埋まってしまっているんじゃよ。しかもその土砂は、民家が建っていた土砂らしく、家が一緒に傾いていた。

あれ見ると恐ろしいとしか思わないな……

とにかく道路が使えないので、反対側が混んでしまっている様じゃ。

帰りは別な道を通ろうという事で、まずは祖母の家へ。

到着して思ったのが、此処は何も変わってないな。って事じゃった。

お陰で気兼ねなく携帯の充電と、水の補給が出来たな。そして久しぶりのコタツに入って落ち着けた。ありがたいのう。

TVもここでは見れるので、被害情報を見れるのは結構ありがたかった。

まあ酷いな……特に海岸沿いは。地震の被害より、津波の被害の方が大きいじゃろうし。

それを見ると、自分たちがいかにまだ『マシ』だったのかとしみじみ思う。


用意していたタンクやペットボトルに水を入れ、携帯の充電が終わったのを確認した所で、早めに切り上げて帰ることにした。

別な道を通るとは言ったが、もしそちらも渋滞していた場合もあるので、なるべく明るいうちに帰りたかったんじゃよな。

遠回りにはなったが、1時間以内で家に到着。普段は30分くらいで行ける道のりなんじゃがのう。結構入り組んでる上に走りにくい道じゃったが、混んでる道通るよりははるかにマシじゃったな。

こんな道、父親もよく知ってたもんじゃ。


これで携帯の充電と水は確保できた。まあ携帯は使うと直ぐになくなるので、なるべく使わないように置いておくだけじゃがな。何か緊急連絡とかあると困るし。

さてさて、あと当面は電気の心配じゃ。

電気が来ないことには凍えて過ごすしかない。

結構周りは復旧してきたという声を聞くものの、この辺は全然じゃ。

もしかして、今にも落ちそうになってる家の横に立っている電柱のトランスが原因なのではないか? という疑問が湧いてきてな。

このトランスもかなり危険で、時間が経つごとに傾いてきてるんじゃよ。落ちたら冗談抜きで危険じゃな。

しかし東北電力に電話しても、一切繋がらない。緊急時の連絡先とか書いてありながら、全然繋がらない。

電気が来る来ない以前に、落ちて誰かが巻き込まれたらそれこそ一大事じゃからな。

業を煮やした父親が、「警察に電話すれば良い」と、110番のダイヤルをプッシュ。

出てきたオペレーターは、案の定「今は立て込んでいて直ぐには無理だ」というテンプレートを話していたが、「じゃあ落ちて誰かの頭に落ちても良いのか?」と反論。今日は輝いておるな父親。わしなら「落ちて誰かが死んだらまた連絡します」とか言いそうじゃが。

こうした通報が入ったら、警察としては必ず出向かねばならんらしい。10分くらいたってからパトカーが来て、2人の警察官が様子を見てきた。

それほど酷くないのであれば、その警察官も戻る積りだったらしいが……これはさすがに捨て置くには危険だと判断したらしく、東北電力に無線で要請を出していた。


この警察官の方から、色々と聞けたぞ。

まず東北電力の方は、一般の電話回線を95%遮断しているらしい。だからずっとかけ続ければ繋がることもあるが、殆ど通らないらしい。

警察の方もパンクしている電話回線を使わず、市役所などに本部を置いて無線で連絡を取り合っているんじゃと。


それにしても寒いな。ただ警察の方は、通報された以上は事が済むまで離れるわけには行かないそうなんじゃよ。大変なお仕事じゃ。

それまで外でずっと待機してたな。寒そうじゃった。

まあ東北電力の方も、全力で電気の復旧にあたっているらしく、全然人手が居ないらしいんじゃよ。他の県から応援を寄越してもらったりしているらしい。

他の警察官が後から来て、直に連れて来ると言って去って言ったときは輝いて見えた。

とはいえ結果から言うと、今日は来なかったんじゃがな。

かなり遅くまで残って頑張ってる警察官2人に、暖かいコーヒーの差し入れくらいしか出せんかったが、大変だったじゃろうな。

最後は、一旦戻るといわれ、此処には絶対に近寄らないようにと立ち居きり禁止のコーンを置いていった。わしの家の客間が落ちた場合被害にあう可能性が非常に高いので、客間にも行かないようにとも。


ということで、今日も電気が来なかった。またペットボトル湯たんぽのお世話になるな。

お湯を温めなおせば使えるので、中の水は捨てずに再利用。水は貴重じゃからな。


その日もその格好のまま、ペットボトル湯たんぽを足に挟んで眠りに就いた。明日こそ電気が復旧してますようにと願いを込めて。

ちなみに、夜の1時くらいに、トランスを直すために東電の人たちが着ていたらしいな。さすがに出たくなかったので、そのまま寝ていたんじゃがのう。

こうして2日目は終えた。
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